Googleの検索結果で一部ユーザにバグが発生中 先月末ごろより、PCからGoogle検索を利用した場合の検索結果ページ(SERP:Search Engine Result Page)にバグが発生している。 筆者が確認した限りでは、リンクのテキストが消滅し「…」に置き換えられたり、文字数が多すぎるリンクの省略表示が異常なものになることが多々見受けられる。
また、その他にもリンクテキストに明らかに不自然なタグが挿入されるケースもある。
このようにHTMLタグであるタグ(強調表示)やタグ(改行してもよい位置を示す)が露出してしまっている。 これらのバグの発生原因は確定していないが、現在Googleが実施している新しいデザインの検索結果ページの導入テストと関連しているものと思われる。公式な発表はなされていない。
Googleの検索結果ページが変わる? 遅くとも年初から、Googleの検索結果ページのデザイン変更がテストされている。
このデザイン変更は、インターネット利用におけるスマートフォン・タブレットとPCの立場が逆転するという大きな転換点の象徴になるのかもしれない。
デザインの大幅な変更 筆者が確認している変更点は次のとおり。
リンクの下線の消滅 文字サイズが大きくなり、リンクの文字数が減少 検索連動型広告の表示方法の変更 概要文の行の高さがコンパクトに
2月末頃から、テスト範囲が拡大しているようだ。Twitterなどで検索結果ページの変化を報告するユーザ数が増えてきている。
スマホとよく似たデザインに 検索結果ページに新デザインが適用された時、筆者が真っ先に感じたのは「何だか白っぽい」ということだった。リンクの下線が消えたことと、リンクの文字サイズが大きくなったことなどから、白い余白部分が強調されるのだろう。 — まとり (@matri_umi) 2014, 3月 5 — Takahiro Watanabe (@takahwata) 2014, 3月 7 — 裕也 (@yuuya_dt) 2014, 3月 11 — макоchan009 (@makochan009) 2014, 3月 4 だが、その後すぐに、重大なことに気が付いた。 新デザインは、スマホ・タブレットからのGoogle検索と非常に似ているのだ。 次の画像は、AndroidスマートフォンとiPhoneのGoogle検索アプリにおける検索結果画面だ。
画面上部の検索連動型広告の「広告」表示がほぼ同一であることはもちろんのことだが、注目したいのはスマホではリンクの下線がないことだ。
なぜ、PCでもリンクを下線なしに変更するのか? サイト訪問者のユーザビリティを考える職種の人たちにとって、リンクの有無がユーザビリティを左右するということは半ば常識だった。Webユーザビリティ研究の大家であるヤコブ・ニールセン博士は、かつて次のように述べている。 しかし、Webに慣れ親しむユーザの増加とスマホの爆発的な普及が、この常識を覆しつつあるのかもしれない。 まず、インターネットの一般化とともに、ユーザがWebサイト上の「リンク」という存在を習熟していき、リンクと通常のテキストを文字色の違いだけで見分けられるようになってきている可能性がある。 そして、重要な視点として挙げておきたいのが、スマホとタブレットの画面上における「リンク」のデザインと概念が、PCのそれとは大きく異なっていると考えられることだ。例えば、下線付きのリンクではなくボタンとして表示した方が、ユーザはタップしやすいと言われている。また、アプリの存在が大きい。アプリを使う中で、下線付きのリンクをタップする機会がどれほどあるだろうか?ほとんど無いはずだ。 それゆえ、モバイルからのGoogle検索でリンクに下線が付けられていないことは、モバイル上でのユーザビリティの観点から一定の合理性があると考えられる。だからこそ、徹底的にユーザの行動を調査しテストを繰り返すことで有名なGoogleが、PC上の常識を捨てたのだろう──そして、その事実が下線なしリンクがユーザビリティを損なわないことの逆説的な証拠となる。
モバイルのユーザ体験がPCに波及するのか ここ数年、スマホ利用者が急増し、モバイルからインターネットにアクセスするユーザが増え続けている。その先には、ネットにつながるのはスマホからという日常が一般化していくだろう(もはや、そうなっているかもしれないが)。 そうであれば、PCでのGoogle検索のユーザ体験をモバイルのそれに合わせていくのは、分からない話でもない。モバイルとPCのユーザ体験を共通化していくことを是とするならば、今回のGoogleのテストは腑に落ちるのではないだろうか。