Androidスマートフォン向けOSの最新バージョン「Android 11」が登場しました。今回は順当な進化といったところで、大きく変わったわけではありません。とはいえ、細かな点がいろいろと便利になっています。また、スマホ画面をそのまま録画する機能も搭載されています。 これから徐々にアップデートも進み、対応機種も増えていくでしょう。新機種を購入したら、Android 11が搭載されている可能性もあります。便利なポイントを見逃さずにぜひ活用してください。
【準備】OSバージョンのアップデート方法と対象機種
Androidのバージョンは、機種によって異なりますがスマホの「設定」から[端末情報][システム]などに進んでおこなえます。またアップデート(バージョンアップ)も、「設定」から[ソフトウェア更新]や[システム]などの項目から実行できます。 手元の機種にAndroid 11のアップデートが配信されるとアナウンスされても、すぐにインストールできないこともあります。メニューを確認しタイミングを見て、インストールしましょう。 Androidスマホを最新バージョンにアップデートする方法
画面はPixel 5。「設定」→[システム]で現在のAndroidバージョンが確認できる
この機種はAndroid 11となっている なお、NTTドコモはAndroid 11へのアップデートを予定している対象35機種を公表しています。auやソフトバンクからも順次発表されるものとみられます。 NTTドコモ、Android 11にアップデート予定の35機種を発表
画面の録画機能がついにAndroidにも標準搭載
Android 11で最も注目される機能が画面録画でしょう。スマホの画面を操作した様子を丸ごとビデオ形式のファイルに録画できます。指の操作も記録でき、画面上には丸い点として表示されます。 録画は、画面を上から下にスライドして表示されるクイック設定パネルに搭載された「スクリーンレコード開始」ボタンをタップします。 録画時には音声を入れるかどうか、またタップ操作を記録するかどうかも選べます。音声はマイク、デバイスの音声、両方を選べます。たとえばゲームの音と自分の声を両方録音したいなら、「デバイスの音声とマイク」を指定します。 Androidスマホで画面録画する方法──専用アプリやAndroid 11標準機能でスクショ動画を撮影
クイック設定パネルの「スクリーンレコード開始」で録画できる
音声とタップの記録を指定する
録音は3つのパターンが選べる 実際に録画したデータはこのような感じに。自分の声も入っている
メッセージ通知などが見やすい「バブル」
これまでも電話、メールやSNSなどのお知らせが通知されました。Android 11では、重要なお知らせの優先順位をつけて、目立つように上部に表示できるようになりました。「優先」にした通知は、通知エリアの上に独立して表示されます。これを「バブル」と呼びます。 会社や自宅、家族からの連絡など重要度の高いものを優先にしておくと、見落とすことが少なくなります。
通知ごとに優先順位を決められる
バブル表示で見つけやすくなる
アプリに「今回のみ」権限を許可する設定が追加
アプリの利用にあたって付与する権限もかわりました。これまでは「常に許可」「不可」「アプリを使っている間は許可」の3種類でしたが、新たに「1回のみ」が追加されています。インストールしてちょっと使ってみたいときなどには「1回のみ」にすると安心でしょう。
アプリに付与する権限の内容が変わった
電源ボタン長押しで家電などをコントロール
これまでは、電源ボタンの長押しで電源オフや再起動などができました。Android 11では、スマートデバイスのコントロールができるようになっています。Google Homeに追加したデバイスにアクセスできるわけです。素早く利用できるので家電のコントロールにも向いています。
下にGoogle Homeのアイコンが表示されている
デバイスのリストを1つ追加した
次に使うであろうアプリ候補の提案
ホーム画面で、自動的にアプリを提案してくれる機能が追加されました。最近使用したアプリ、利用頻度の高いもの、ルーティンに基づいた提案となります。 従来のようにホーム画面下部のドックにアプリが並べられます。この機能をオンにすると、下に新しいアイコンの一覧が表示され、アプリを提案してくれるわけです。
ホーム画面を長押しして、「ホームの設定」で「候補」をタップするとこアプリを提案してくれる
アプリ候補の提案の説明と機能のオンの画面
下の段にアプリの提案が追加された
音楽などのメディアコントロールがよりスムーズに
音楽などのメディア再生中のメニューが変わりました。通知エリアに曲名や再生、停止などのコントロールが表示されますが、デバイスのマークをタップすると簡単に切り替えられます。たとえば、外付けのスピーカーとスマホ内蔵のスピーカーの切り替えなどが手軽におこなえます。
通知の音楽再生メニューでデバイスの名前をタップする
音声を出力している機器を選択できる
スクリーンショット撮影の仕様が少し変わった
画面を下から上にスワイプすると、タスクが表示されます。アプリの切り替えができるおなじみの機能ですが、ここにスクリーンショットが追加されています。いちいち画面を切り替えなくても、スクショが撮影できます。さらに、選択機能を利用すると画面内の文字を選んで、コピーや検索が可能です。 Androidスマホでスクリーンショットを撮影する方法──保存先の確認や全画面スクショも解説
タスクの切り替え画面でスクショが撮影できる また、スクリーンショットを撮影したあとで表示される画面が少し変わりました。 画面下に小さなサムネイルとともに編集と共有のショートカットボタンが表示され、通知パネルを展開させることなく、即座にスクショをプレビューしたり編集したりできます。とはいえ、機能的にはほとんど変化がないので迷わず使えるはずです。
スクリーンショットを撮影したあと、小さなサムネイルが表示される
ダークモードに時間指定ができるように
ダークモード(ダークテーマ)は、オン、オフだけから、時間を指定して自動で切り替えられるようになりました。夜はダークモードにして暗い画面で利用しやすくなっています。 Androidスマホをダークモード(ダークテーマ)に設定する方法
ダークモードが時間で切り替えられるようになった
【補足】Android版AirDrop「ニアバイシェア」も便利
Nearby Share(ニアバイシェア)は、iPhoneのAirDropのように、写真やリンクなどを近くの人に贈る機能です。正確には、この夏に搭載された新機能で、Android 10でも利用できています。10個目の機能として紹介します。 使い方は簡単で、写真などを選択したら送る機能でニアバイシェアを選びます。また、受け取り側はニアバイシェアをオンにしておけばOKです。 Nearby Share(ニアバイシェア)の使い方──Androidスマホで写真・動画などを送受信する方法
ニアバイシェアで近くにいる人に写真などを送れる
まとめ
Android 11は、旧バージョンから大きく変わったわけではないので、特に注意していないと新機能に気が付かないかもしれません。気付いたとしても迷わずに使えることでしょう。 アップデートがリリースされた人は、いち早くインストールして使いこなしてみてはいかがでしょうか。新しいモデルを買うときには、最新OSを搭載したモデルがおすすめです。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部