Apple Watch Series 5(以下、Apple Watch 5)が登場しました。大幅に進化した前モデルのSeries 4と比べると本体サイズなどは変わっていません。変更点は多くないのですが、非常に便利な機能をいくつか搭載し、魅力的な製品に仕上がっています。 最近は、Apple Watchをしている人をよく見かけるようになりました。ついにロレックスを抜いて、時計業界の売上1位を奪取しているのです。今後もますます人気が高まりそうな製品だけに注目が集まります。
外観は前モデルとほぼ変わらないが種類が豊富に
前モデルのApple Watch 4では本体が大きく変わりましたが、Apple Watch 5の外観はほとんど変わっていません。しかし、内部のバッテリーやメモリ容量などが変わったと言われています。 外見で最大の変化は、ケースにチタンを採用したモデルが登場したことでしょう。また、Apple Watch 3でラインナップされていたセラミックも復活しています。アルミとステンレスも用意されているので、本体の素材は全部で4種類になりました。それぞれの素材で金額が違いますが、機能・性能は変わらないので、好みで選ぶことができます。 ケースサイズは、従来同様に40ミリと44ミリが用意されています。44ミリのほうが若干価格が高くなりますが、手の大きさや好みで選べます。これまで通り「GPSモデル」と「GPS+Cellularモデル」が選択でき、後者はApple Watch単体で通信や通話が可能。iPhoneを持たずにジョギングなどに出かける際に役立ちます。 Apple Watch Studioでは、ケースとバンドを自由に組み合わせて、好みのスタイルを作ることが可能になっています。たとえば、セラミックに特定の色のスポーツループを組み合わせて買いたい——といったように、自分好みの組み合わせで購入できます。
アルミボディはシルバーとスペースグレイ、ゴールドが用意される
ステンレスは、ゴールドとスペースブラック、シルバー(ステンレススチール)をラインナップする
新しい文字盤(ウォッチフェイス)やバンドも増えた
Apple Watchの文字盤(ウォッチフェイス)には、新しいタイプが登場しています。こちらは、Watch OSの機能なので、旧モデルでも同様に使えます。
左:新しい文字盤の数字・デュオ右:メリディアン
左:ソーラーダイヤル右:カリフォルニア 例年通り、新しいバンドも登場しています。ここでは、新しくなった「スポーツループ」に注目します。従来のスポーツループは1色でしたが、新しいタイプは表と裏で色が異なります。すると、腕に装着したときに上下で色が変わる、ツートーンカラーになるのです。 他にも多くのバンドが登場しており、簡単に交換して楽しめるのが、Apple Watchが人気になっている理由の一つです。Appleの純正品だけでなく、市販のバンドも利用可能です。
新しいバンドも登場
画面が常時点灯になったがバッテリー持ちは悪くない
最大の注目ポイントは、文字盤が常時表示になったことです。「常時表示Retinaディスプレイ」と命名されています。 これまでのApple Watchは、ふだん画面が真っ暗になっていました。手首を傾けるなどして、ウォッチフェイスを見ようとすると点灯したのです。ところが、Apple Watch 5はずっと画面が点灯しています。これではバッテリー駆動時間が心配になりますが、カタログ値では18時間の駆動を実現しています。 実は、常時点灯はしているものの、目をやらない角度やしばらく動かさない状態でいると、画面の色合いが暗くなります。有機ELでは黒い部分は発光していませんし、暗い色合いも電力消費が抑えられる機能を活かしているわけです。手首を動かして自分に向けると、ウォッチフェイスの色合いが明るく、見やすく変化します。
画面の色合いを変えることで、消費電力を抑えながら常時点灯を実現
すべてのウオッチフェイスで常時表示は利用可能だ
従来同様に画面を常時オンにしない設定もできる
電子コンパス内蔵で方位磁針がプリイン
Apple Watch 5には、電子コンパスが内蔵されました。iPhoneには以前から搭載されている機能です。コンパスの内蔵により、方位磁針がプリインストールされ、Apple Watchの画面を見るだけで、方角がわかるようになりました。マップ上でも自分が向いている方向が表示されるようになっています。つまり、地図を見る際の機能がiPhone同様になったわけです。 方位磁針はウォッチフェイスの一部に追加することも可能です。同様に風向・風速を追加しておくと、どっちの方向からどのように風が吹いてくるかがすぐさまわかるので、ゴルフや釣りなどには重宝します。
コンパスアプリが追加された
地図に方角が表示される
風向・風速と方位磁針を表示しておけば風の吹く方法がすぐにわかる
騒音の計測に対応、心拍計測はまだ未対応
Apple Watch 4から、心拍センサーの世代が新しくなりました。電気式の心拍センサーも搭載しています。これにより、単に心拍を取るだけでなく、心電図機能が搭載されています。ところが医療機器の認定が必要なため、アメリカ以外ではまだ利用できません。Apple Watch 5でも残念ながらまだ利用できないので、いち早い対応が望まれます。 新たに追加されたのが、騒音の計測機能です。耳に影響がある音量が一定時間続くと、アラートが表示されます。もちろん周囲の騒音を計測することもできるので、工事などがうるさいときにはチェックしてみると良いでしょう。
周囲の騒音レベルを計測できる
心拍センサーは新しい世代だが、日本では心電図機能が使えない
PayPayなど対応アプリも増えてさらに便利に
Apple Watchは、スマートウオッチの中でもダントツに人気があります。利用者が多いので、対応するアプリやサービスも増えています。最近ではスマホ決済の「PayPay」が対応しました。コンビニなどでの買い物に便利に利用できます。
PayPayも対応した 今後もますます対応アプリやサービスは増えることは間違いなく、さらに便利に利用できるはずです。ただ、とても残念なのは、iPhoneを持っていないと使えないことです。Androidスマートフォンのユーザーは利用できません。iPhoneをAndroidに乗り換えると、Apple Watchも使えなくなってしまいます。 なお現在、最新のApple Watch 5が4万2800円(税別)から購入可能です。Series 4の販売は終了し、Series 3が1万9800円(税別)から手に入ります。 Apple Watch 5のレビューを下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部