シャープの定番スマートフォンAQUOS Senseシリーズの新モデル「AQUOS sense4」が登場しました。AQUOS Senseシリーズは機種数が増えており、混乱する人も多いのではないでしょうか。 まず中核となるのが「AQUOS sense4」で、価格を抑えたのが「AQUOS sense4 lite」、大画面モデルが「AQUOS sense4 plus」です。これに、5Gに対応した「AQUOS sense4 5G」も登場しています。また、ワイモバイルからは「AQUOS sense4 basic」も販売されており、こちらはホームボタンがなく、カメラも2つになります。 これらモデルの中で、最もバランスがよくおすすめなのがAQUOS sense4です。販売はNTTドコモから。また、SIMフリーモデルも登場しており、今回はこちらをレビューしていきます。

手ごろなサイズで無難に使える

AQUOS sense4を一言で表すなら、「クセのないスマホ」です。とんがった特徴こそありませんが、使いやすく性能も十分でとてもバランスがよいのです。 注目の画面サイズは、5.8インチとまさに程々です。最近は狭額縁化が進んでおり、AQUOS sense4も縁(フチ)はかなり細くなっています。5.8インチなら多くの人が「持ちやすい最大限のサイズ」と感じるでしょう。 手の小さな人にはやや大きく感じられるかもしれませんが、妥協できそうです。ちなみに、前モデルのAQUOS sense3およびAQUOS sense2は5.5インチなので、少し大きくなりました。 少々気を付けたいのは、177グラムとやや重いことです。AQUOS sense3と比べると10グラム、AQUOS sense2と比較すると22グラムほど重量が増しています。

AQUOS Sense 4は旧モデルに比べると画面サイズが大きくなった

乗り換えても違和感のないデザイン

デザインは、AQUOS senseシリーズらしい無難なスタイルです。ボディは質感の良い金属製で、つやを抑えた仕上げなので滑りにくくなっています。角が丸みを帯びていて、手へのあたりが柔らかいのも特徴です。また、本体横部分の形状が指にかかりやすく、テーブルの上に置いておいても持ち上げやすいのです。 見逃せないのが、イヤホンジャックを搭載すること。最近は採用機種が減っていますが、やはり有線タイプのイヤホンは使えたほうが便利です。すでに所有しているお気に入りの有線イヤホンも使えます。もちろん、ワイヤレスイヤホンも利用可能です。充電やパソコンとの接続は、一般的なUSB-C端子を利用します。 最近では珍しく、本体の下に指紋センサー兼用のホームボタンを搭載しているのも魅力の一つです。もちろん好みの分かれるところですが、「ホームボタンが欲しい」という人のニーズをかなえる機種が少なくなっているのです。

本体は金属製で滑りにくく質感もよい

充電はUSB-C端子を利用する

イヤホン端子があるのはうれしいポイント

ホームボタンを採用するので使い勝手が良好

Snapdragon 720G搭載で大幅に性能向上

前モデルのAQUOS sense3は、CPUがSnapdragon 630でした。600番台のCPUは、中の下といった位置づけです。買った当初は問題なく使えますが、数年間使うとかなり厳しくなりそうです。 ところがAQUOS sense4は、Snapdragon 720Gに変わりました。簡単に言うと中の上のCPUなので、性能は大幅アップと言えます。今回カメラで比較する「Pixel 4a(5G)」も搭載するCPUで、採用モデルが大幅に増えています。 このCPUならゲームも快適にこなせるほか、2〜3年使っても遅いと感じにくいはずです。AQUOS sense3やAQUOS sense2を使って処理が重く感じている人の買い換えにもおすすめです。なお、RAMは4GB、ROM(ストレージ)は64GBと中堅モデルとしては妥当なスペックです。 本体がやや重くなったのは、バッテリー容量が4570mAhへと増加したからです。電池の持ちがいいのも特徴で、ヘビーに使っても丸一日余裕で持つでしょう。ライトな使い方なら、1週間は充電不要としています。

スペックは上々で、快適に動作する

バッテリー駆動時間も素晴らしく、急速充電器も付属している

省電力性が高く、明るく美しいIGZOディスプレイ

AQUOS sense4のディスプレイは、シャープ製のIGZOです。明るく画質が素晴らしいだけでなく、省電力性が高いのが特徴で駆動時間の長さにも一役買っています。 屋外では特に明るく表示する機能を持っているので、快適に利用できます。最近は、中級クラスのスマホでも、液晶ではなく有機ELを採用するようになりました。有機ELは確かにくっきりと美しい表示ができますが、派手すぎると感じる人も少なくありません。 AQUOS sense4の液晶は、有機ELにも引けを取らない美しさで満足して使えることでしょう。ただし、斜めから見るとやや暗くなることが、有機ELに比べると最大のウィークポイントです。

左のPixel 4a(5G)は有機ELだが、正面から見ると明るさの差もほとんどない

斜めから見ると液晶は暗くなってしまう

カメラは価格を考慮すれば及第点

カメラも価格を考えると十分です。標準と広角は1200万画素、2倍の望遠カメラは800万画素で、クセがなく美しい写真がとれます。もちろん、カメラに力を入れている上位モデルにはかないませんが、「写真は普通に撮ればいい」と考えているユーザーなら満足でしょう。 少々残念なのは、背景をぼかす機能が人物でしか使えないことです。たとえば花を撮影して背景をきれいにぼかしたい、といったことができません。なお今回の撮影では、Pixel 4a(5G)と写真を比較してみました。

カメラは3つで、価格を考えれば立派だ

通常撮影

標準カメラの写真は、甲乙つけがたくどちらも美しく撮影できました。Pixel 4a(5G)は色合いが濃厚です。

近接撮影

花を近くから撮影。色合いなどは、Pixel 4a(5G)のほうがきれいに感じますが、自然なのはAQUOS sense4です。

超広角撮影

超広角での撮影も大きな差はありませんでした。AQUOS sense4のほうが若干明るいようです。

まとめ

ガラケーからの乗り換えで人気を博しているAQUOS senseシリーズの最新モデルらしく、とても使い勝手がよく、無難なモデルとなっています。これまでは、性能がやや低かったAQUOS senseシリーズの弱点も見事に解消しています。 先進的な機能はありませんが、SIMフリーモデルで3万円台後半と、手ごろな割には性能が高く、カメラも十分です。落ちついたスマホが好みで、5Gが不要だと思うなら最良の選択肢といえます。 スマホに詳しくないシニアの方にも、使いやすいように専用のホーム画面も用意しています。設定などもわかりやすく、シャープのおもてなし精神が発揮されたわかりやすい1台です。もちろん、若年層のユーザーが使ってもコスパのよいモデルとして満足できるでしょう。

「AQUOSかんたんホーム」に切り替えると、スマホが苦手なユーザーでも使いやすくなる 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部