ファーウェイからまた新しいスマホが登場しました。「HUAWEI nova lite 3」はMVNO専売のモデルで、本体価格は2万6800円となっています。ただし価格は事業者によって異なり、IIJmioの場合は一括払い2万2800円、24回払いで月980円となります。 とても手ごろな価格のモデルで、スペックもかなり魅力的です。筆者は「いま2万円台のスマホでどれを買うか?」と問われたら、迷わず本製品を推します。どの点が魅力なのか詳しくレビューしていきます。 「HUAWEI P20 lite」レビュー、低価格でも美しい写真が撮れるバランスの良いモデル

安っぽさの感じられない本体

2万円台のスマホでも、昨今はずいぶん完成度が向上しています。HUAWEI nova lite 3もひと目見ただけで、こんな価格とはまず思えません。ディスプレイは額縁が細く、画面占有率の高いタイプです。さらに、ノッチは水滴型と極小なので、ディスプレイがとても大きく見えます。 背面は樹脂製ですが、ミラー仕上げで高級モデルにも引けを取らない美しい仕上げです。ただし、指紋や手の皮脂は非常に目立つので、気になる人はケースに入れたほうがよいでしょう。 最近は格安スマホも、画面の縁(フチ)が丸みを帯びた2.5Dガラスを使うのが当たり前になりました。もちろん本モデルにも採用されています。ただし、ガラスとボディの間には樹脂パーツが挟み込まれているのが、上位モデルとの違いです。こちらも、細かな点を気にしないなら無視できます。

HUAWEI nova lite 3は画面占有率が高く、スタイリッシュだ

背面はミラー仕上げなので周囲の風景が映り込む。指紋が目立つのが気になるところ

手前のHUAWEI nova lite 3はディスプレイの縁(フチ)に樹脂が挟み込まれている

大画面でもコンパクトで薄い

今回は、1年ほど前の中級モデルで現在も4万円台で販売されている「ZenFone 5」や、最上位機の「iPhone XS Max」と、HUAWEI nova lite 3を比較してみます。サイズは次のようになっています。 HUAWEI nova lite 3とZenFone 5とはディスプレイのサイズがほぼ同じで、スペックもかなり似ています。ZenFone 5のほうが幅・長さ・厚みすべてが若干短いのはさすがですが、実際に使ってみると大きな差は感じません。HUAWEI nova lite 3は、低価格モデルなのが信じられないほどディスプレイの縁(フチ)が細く、本体もスリムなのです。 「ZenFone 5(2018)」レビュー、価格はミドルクラスでも十分な性能と高級感の良バランスモデル 参考までにiPhone XS Maxと比べると、ディスプレイのサイズに差があるだけに、HUAWEI nova lite 3のほうがやや持ちやすいと感じます。特に大きな違いは軽いことで、気軽に利用できます。 とはいえ、6.21インチの大画面モデルなので、手の小さな人にはオーバーサイズです。片手でフリック入力をしたい場合には厳しいので、HUAWEI P20 liteなど5.5インチ前後のモデルを選んだほうが無難です。

左からHUAWEI nova lite 3、ZenFone 5、iPhone XS Max。どれも大型モデルだが、サイズは微妙に違う

SIMは2枚セット可能

SIMトレイは、nanoSIMを2枚セット可能なタイプです。microSDカードも搭載可能ですがSIMと排他になっているので、「SIM2枚」もしくは「SIM1枚、microSDカード」という組み合わせになります。 対応しているバンドは以下のようになっており、製品購入後のアップデートでau VoLTE SIMにも対応します。

LTE:B1/2/3/8/17/18/19/41 3G:B1/2/5/6/8/19 GSM:850/900/1800/1900MHz

SIMトレーはnanoSIMを2枚セット可能で、microSDカードも利用できる

ディスプレイはやや暗いが十分

さすがに上位モデルと比べると差が付いたのが、ディスプレイの明るさです。単体で見ていると十分なのですが、ZenFone 5にはやや劣っています。また、有機ELを採用するiPhone XS Maxとは大きな差があります。もっとも、ここで差が付かないなら、15万円ほどもする最高級スマホの存在価値がなくなってしまいます。 使ってみて特に違いを感じるのは、明るい屋外で写真を撮るときです。iPhone XS Maxはくっきりと美しい画面でプレビューが快適です。ZenFone 5、HUAWEI nova lite 3の順にやや暗く見づらいと感じてしまいます。もちろん、これはiPhone XS Maxと比べているからで、「こんなものだ」と思って使えば問題ありません。 逆に言うと、2万円台前半から買えるモデルとしては、驚くほどの明るさ、美しさです。また、画面サイズも大きいので、見やすいのも嬉しいポイント。ノッチが気になるユーザーは、設定メニューでバーにすることも可能です。

左からHUAWEI nova lite 3、ZenFone 5、iPhone XS Max。iPhone XS Maxがずば抜けて明るい

斜めから見ると、ZenPhone 5との差もほとんど感じない

ノッチは設定で目立たないようにできる

ZenFone 5とほぼ同じベンチマークに驚く

HUAWEI nova lite 3のCPUはファーウェイ独自のKirin 710です。早速ベンチマークを計測して驚きました。ZenFone 5とほぼ同じ性能なのです。この価格にして、中級クラスといっていいパフォーマンスです。これは非常にお買い得です。 さすがに最新の3Dゲームは厳しいかもしれませんが、普段使いには何の問題もありません。ブラウザーやSNS、動画配信サービスなども快適に利用できます。 メモリはRAMが3GBでストレージは32GBとなっています。やや物足りないところですが、価格を考えれば妥当でしょう。ストレージはmicroSDカードで増やせますが、多くのアプリをインストールするのには物足りません。なお、OSは最新のAndroid 9を採用しています。

ZenFone 5(右)とほぼ同じスコアを計測したのには驚くばかり

バッテリーは十分な容量だが急速充電には非対応

バッテリーは3400mAhと大容量です。とはいえ、最近はもっと容量の大きな製品も増えているので、中の上といったところです。最近は省電力性も向上しているので、普通の使い方なら十分に1日持つでしょう。 ただ残念なのは、充電用のコネクターにmicroUSBを採用していることです。最近はUSB-C端子が主流になりつつあるので、そろそろ低価格モデルも切り替えて欲しいところです。急速充電にも対応していない点には留意しておきましょう。また生体認証は、顔認証と指紋認証の両方に対応しています。

充電に使うコネクターはmicroUSBなのでやや古い

付属の充電器。急速充電には非対応だ

指紋センサーはボディの背面に搭載

生体認証は、顔認証と指紋センサーを両方搭載する。使い勝手も普通だ

カメラも妥当な画質、AIによる撮影にも対応

HUAWEI nova lite 3のカメラはごく一般的です。1300万画素+200万画素のデュアルカメラになっており、ファーウェイが得意とするAIによる撮影が可能です。今回は、iPhone XS Maxと比較してみました。確かに差は大きいのですが、「HUAWEI nova lite 3でも十分だ」と感じる人が少なくないでしょう。 もはやスマホのカメラも、上位モデルは普通のユーザーにとってはオーバースペックになりつつあります。HUAWEI nova lite 3とiPhone XS Maxの価格差は13万円くらいあるので、違うのは当然です。ただ、価格差の分だけの差があるかと考えると、微妙なところでしょう。 写真は思い出を記録しておくためのものですから、美しいほうが良いに決まっています。とはいえ、2万円クラスのスマホでもここまで撮れるようになったのですから、後は購入者が使い方や写真へのこだわりを考えて判断するしかありません。個人的には、普通のユーザーには十分だと判断します。

通常撮影

やや暗い冬の公園で撮影。どちらも滑り台はきれいに撮れているが、背景の雲の表現が大きく違う

暗所撮影

暗い室内で撮影。全体にiPhone XS Maxのほうが明るく美しい

近接撮影

花を接写したところ、一番差が付いた。iPhone XS Maxの立体感はすばらしい

ポートレート(背景ぼかし)撮影

ポートレートモードで背景をぼかした。どちらもしっかりとぼけている

まとめ

HUAWEI nova lite 3のコストパフォーマンスは信じられないほどです。HUAWEI P20 liteと価格帯は似ていますが、性能が大きく上回っています。この価格にして、2年はストレスが少なく使えるはずです。もちろんヘビーなゲームは除きます。 スマホのコモディティ化は、驚くべき速度で進んでいます。10万円を超えるモデルが高すぎると感じてしまうほどの状況下で、多くのユーザーはHUAWEI nova lite 3で満足できるはずです。高性能なモデルでゲームを楽しみたい、写真を美しく表示する有機ELディスプレイが欲しいといった明確なニーズがない人には「ベストバイ」と言えます。

HUAWEI nova lite 3を扱う格安スマホ事業者(MVNO)

構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部