いよいよ新しいiPhoneが登場し、「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が発売されました。今回は、この2製品の注目ポイントや違いを中心にわかりやすくレビューしていきます。 iPhone 12とiPhone 12 Proは、まったく同じサイズです。前モデルのiPhone 11とiPhone 11 Proは本体サイズが違い、ディスプレイの解像度などを含めて大きな差がありました。それに比べるとiPhone 12 ProとiPhone 12は、かなり近い製品になっています。これは、iPhone 12がiPhone 11から大幅に機能アップしているためです。
両者とも背面はガラス、側面の仕上げが違う
iPhone 12 Proは、ガラス製の背面にステンレススチールのフレームを採用。iPhone 12も同じように背面はガラスで、フレームがアルミとなっています。 ただし、iPhone 12 Proは高級感のある曇りガラスなのに対し、iPhone 12は光沢のあるポップな仕上げです。アップルマークも、iPhone 12 Proはガラスのつやで表現しているのに対し、iPhone 12はミラー仕上げになっています。 両者とも本体サイズは同じで、146.7×71.5×7.4ミリです。かなり薄いので、画面が大きな割にはとても持ちやすく感じるでしょう。またiPhone 12は、162グラムと軽いのも特徴の一つです。
iPhone 12 Proは背面がつや消しになっている
iPhone 12は背面も光沢のある色合いだ
光が当たるとガラスの仕上げの違いがよくわかる アップルマークの表現にも違いがある
ディスプレイサイズは同じだが、輝度が異なる
ディスプレイサイズは、どちらもまったく同じで6.1インチです。また解像度も同じ2532×1170ピクセルとなっています。違いは明るさで、iPhone 12は最大625ニト、iPhone 12 Proは800ニトです。ただし、HDR時の最大輝度はどちらも1200ニトです。 iPhone 12 Proのディスプレイは、数あるスマホの中でも最上位クラスの明るさです。iPhone 12も十分な明るさで、写真を見てもとてもきれいに感じます。明るさの違いは、並べて比べないとわからない程度です。 さらに、HDR対応の動画や写真を表示すると輝度が向上し、より輝かしい表現ができます。対応する映画を観ても息を呑むような美しさです。この機能には違いがありません。 なお、iPhone 11 Pro Maxと比べると、画面サイズが大きくなったことがよくわかります。iPhone 12 Proなどでも十分なサイズだと感じる人も少なくなさそうです。もちろん、iPhone 12 Pro Maxはさらに大画面化しています。
iPhone 12 ProとiPhone 12はまったく同じ画面サイズ
左のiPhone 11 Pro Maxがあまり大きく見えない
背面ももちろん同じサイズだ
右のiPhone 12 Proのほうが若干明るいことがわかる
斜めから見ても微妙に明るさが違う
性能は文句なし、iPhone 11 Proよりバッテリー持ちがやや悪い?
最大のポイントは5Gに対応したことですが、まだ利用エリアが狭く、実用的とは言えません。今回はテストの都合もあるので、5Gについては言及しません。ストレージは、iPhone 12 Proが128GB、256GB、512GBとなります。iPhone 12は64GB、128GB、256GBと構成が異なります。 iPhone 12シリーズのCPUは、全モデルA14 Bionicを採用しています。性能はもちろん文句なしで、他のスマートフォンの高性能なチップより、50%程度高速と言われています。実際に操作してもテキパキと軽快ですが、A13と比べても体感での速度差はあまりないかもしれません。しかし3年、4年と長く使っても、快適さが失われないことでしょう。 また、カメラ関係の各種機能に大きく寄与しています。たとえば、DolbyVisionでの動画撮影が可能なのも、このCPUがあってこそです。 バッテリー駆動時間は、iPhone 11 Proが18時間のビデオ再生だったのに対し、17時間と少し短くなっています。実際に使ってみた体感では、やや持ちが悪いかなと感じました。もちろん、テストのために最高輝度で普段とは違う作業をしているので、そう感じたわけです。 バッテリー駆動時間が少しでも長いほうがよいなら、iPhone 12 Pro Maxが最良の選択でしょう。なお、急速充電には20Wのアダプターが必要です。
充電端子はLightning
充電器が付属しなくなった(両製品とも同じ)
MagSafe充電器が非常に便利
iPhone 12シリーズには、背面に磁石を内蔵し、さまざまなオプションを取りつけられるMagSafeが採用されています。専用のケースも登場しており、このケースを使うと、本体と同じようにさまざまな物が取りつけられます。 今回はワイヤレス充電器を試してみましたが、とても便利です。そもそもワイヤレス充電器は机に置いたりスタンドになっているタイプが主流なので、充電したまま利用できません。MagSafe充電器なら磁石でくっついているので、充電しながら作業ができるのです。
ケースもMagSafeに対応した
MagSafe対応の充電器が登場。価格は4500円
本体に充電器が磁石でくっつく
ケースの上からでも利用可能となっている
カメラも進化、夜景や動画の撮影で強みを発揮
カメラは、基本的にはiPhone 11からの若干の進化となります。標準の広角カメラが少し明るくなってるので、同じように撮影して比較すると微妙な違いがわかります。 また夜景に強くなっており、レンズが明るくなったのも効いています。さらに、超広角でも夜景モードでの撮影ができるようになったのは大変嬉しいポイントです。さらに、ポートレートでもナイトモードで撮れるようになりました。 動画撮影では、DolbyVision対応の動画をiPhone 12単体で撮影できます。ただし、iPhone 12 Proは4K/60フレームですが、iPhone 12は4K/30フレームになります。動画は対応するディスプレイで見ると違いがよくわかります。 iPhone 11 Pro Maxで撮影した写真より、iPhone 12 Proは若干明るい 超広角でもナイトモードが使えるようになったのが大きい 普通に夜景を撮っても明るさがだいぶ違う ナイトモードのポートレートも撮影できるようになった。こちらも明るさが大きく違う。
上がこれまで同様の4Kで撮影。下のiPhone 12 Proは、4KでDolbyVisionで撮影した。空の明るさがまったく違っている
まとめ
iPhone 12は、iPhone 11に比べると圧倒的に進化しました。ディスプレイが液晶から有機ELに変わり、解像度も向上しています。価格は8万5800円からと中級モデルとして魅力的です。 iPhone 12 Proも、非常に美しいデザインを採用し、魅力的に仕上がっています。カメラが3眼で望遠が使えるのがiPhone 12との最大の違いでしょう。カメラにこだわらない人ならiPhone 12でも十分です。 もちろん、デザインと質感を重視してiPhone 12 Proを選ぶのも悪くありません。価格は10万6800円からとなりますが、ストレージの容量を揃えて比べると、1万6000円と意外に価格差はないのです。 本記事に関連して、iPhone 12とiPhone 12 Proのレビューを下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部