Google製のAndroidスマートフォン「Pixel」シリーズから新機種「Pixel 4a(5G)」と「Pixel 5」が登場しました。2020年8月にPixel 4aが出たばかりなので、矢継ぎ早のリリースとなります。 「Pixel 4a」レビュー、普通のスマホで十分というユーザーに魅力的なスタンダードモデル 2モデルとも5Gに対応しますが、「まだ5Gは使えるエリアが少ない」と思っている人も少なくないでしょう。しかし、Pixelの新モデルは価格が抑えられており、高額で買いづらいハイエンドの5Gモデルとは差別化されています。Googleストアでの直販価格は、Pixel 5が7万4800円、Pixel 4a(5G)が6万500円です。 今回はSIMフリー版のPixel 4a(5G)とPixel 5を取り上げて詳しくレビューしていきます。なお2020年10月18日現在、auとソフトバンクでも取り扱われています(auはPixel 5のみ)。

軽量で負担感が少ないのが素晴らしい

今回登場の2モデルは、どちらも狭額縁でピンホールタイプのフロントカメラを搭載しています。1世代前のPixel 4は上に縁(フチ)が残っていたので、大きく進化した印象があります。ただし仔細に見ると、Pixel 5はPixel 4a(5G)よりもフチが細くなります。よりコンパクトで大画面なのです。 Pixel 5は6インチディスプレイと、一昔前なら大画面と言えるレベルの画面サイズですが、手にするととてもコンパクトで持ちやすくなっています。しかも151グラムと軽いので、負担感がとても少ないのです。 Pixel 4a(5G)は6.2インチと、最近のモデルとしては“ちょっと大きめ”程度のディスプレイを採用しています。こちらはやや大きくなりますが、やはり168グラムととても軽いのです。どちらもポケットに入れて持ち歩いても軽く感じることでしょう。

Pixel 5はコンパクトな6インチモデル

Pixel 4a(5G)は大画面ながら軽量で使いやすい

左のiPhone 11 Pro Maxとサイズ比較。中央がPixel 4a(5G)で右がPixel 5

上品で落ち着いたデザイン、本体の質感も上々

Pixelシリーズは、他のスマホとは一線を画すデザインを採用しています。どのモデルも共通で落ちついた色合いと仕上げです。特につや消しの仕上げが特徴で、ピカピカと光る部分はありません。ひとことで言うなら、品がよいのです。 Pixel 4a(5G)はボディが樹脂製ですが、つや消しの仕上がりは上々で、チープな感じはほとんど受けません。Pixel 5はリサイクルしたアルミを採用しています。表面は紙のような質感に仕上げられており、とても手触りがよく、すべりにくくなっています。

Pixel 5は新色のソータセージが美しい

Pixel 4a(5G)は樹脂製のボディだが安っぽさはない

質感のよい2モデル 本体カラーは、Pixel 4a(5G)がジェットブラック1色、Pixel 5はジェットブラックとソータセージという色になります。ソータセージは、セージという植物から取った名前でしょう。実物はグリーンとグレーの中間的な印象で、とても落ちついています。 これまでのモデルは、電源ボタンの色を変えてアクセントにしていましたが、新モデルの2機種は、ボタン部分もやや大人しい色合いになっています。

電源ボタン部分の色合いもあまり変わらなくなっている

電源ボタンの色がアクセントになっているが、前モデルよりはおだやかな色合いだ

ケースには充電器とケーブル、データ転送用のアダプターを搭載。充電器は18Wだ

Pixel 5のほうがディスプレイが美しい

Pixel 5とPixel 4a(5G)はCPUが同じで、Snapdragon 765Gとなります。中級クラスのCPUですがゲームにも向いていて、普通に使って遅く感じることはまずありません。ただし、メモリの容量が違っており、Pixel 4a(5G)は6GB、Pixel 5は8GBとなります。たくさんのアプリを利用すると、多少の差を感じる可能性があります。 ディスプレイはどちらも有機ELで、1080×2340ドットです。前述のようにサイズは違いますが、さらにリフレッシュレートにも差があります。Pixel 5は、最大90Hzのやや高速な書き換えに対応しますが、Pixel 4a(5G)は60Hzの一般的な速度になります。 実際に画面を比べるとPixel 5のほうがクリアで明るい印象を受けます。どちらも十分な輝度ですが、iPhone 11 Pro Maxと比べると若干劣ります。

GeekBench5のベンチマークのスコアはさほど変わらない(左:Pixel 4a(5G)、右:Pixel 5)

右のPixel 5が明るく美しく、Pixel 4a(5G)はやや落ちる。左のiPhone 11 Pro Maxは一段と明るくなる

斜めから見ると差がよくわかる

今は指紋センサーが便利、バッテリー持ちも優秀

2モデルともに、指紋センサーを搭載している点は見逃せないでしょう。新型コロナウイルスの影響でマスクをしている機会が多いので、顔認証より使いやすいのです。センサーは背面で指が届きやすい反面、車載アダプターなどに取りつけると使えません。なお、顔認証は採用されていません。 また、Pixel 4で話題になったMotion Senseの搭載も見送られています。充電などはおなじみのUSB-C端子を採用します。Pixel 4a(5G)のみ、イヤホン端子を搭載するのが大きな違いです。 Pixel 5はワイヤレス充電(最大12W)とパワーシェアに対応しています。また、バッテリーの容量も、Pixel 5が4080mAh、Pixel 4a(5G)が3885mAhと違いがあります。実際に使ってみると、どちらもかなり持ちがいいと感じました。その上でも、さらにPixel 5は長く使えました。これはバッテリー容量に加え、ディスプレイのサイズが違うことも効いているでしょう。

両モデルとも、背面に指紋センサーを搭載

Pixel 4a(5G)はイヤホン端子を搭載する

充電はどちらもUSB-C端子だ

カメラは2眼、ポートレートではiPhoneにも勝る

2モデルともカメラ構成は同様で、2つになります。12.2メガの標準カメラに、16メガの超広角カメラを採用しています。望遠は搭載しませんが、デジタルによるズームが利用できます。今回は、iPhone 11 Pro Maxと撮影して比較してみました。 まず標準、超広角、2倍の望遠で撮影しました。当然ですが、Pixelはデジタルズームとなります。どちらも非常に美しいものの、iPhoneのほうが色合いが明るく写ります。暗部も表現できますが、空は白飛びしやすく感じました。Pixelは比較すると暗めですが、空も白飛びしにくくなります。どちらが良いかは好みによるでしょう。

通常撮影

標準 超広角 2倍 明るさがやや違いますが、好みの差になるでしょう。

近接撮影

花を近くから撮影しました。

ポートレート(背景ぼかし)

Pixelシリーズはポートレートに定評があります。iPhone 11 Pro Maxもポートレートには力を入れた製品ですが、試してみると大きな差がありました。電灯を撮影するとiPhoneでは消えてしまった輪郭部分がしっかりと残っています。 また、ポートレートが苦手とする小さな花を撮影しても、Pixelはとても自然です。この点では、大きな差を感じました。 iPhoneは左部分の角(カド)が消えてしまっています。 花をポートレートで撮影すると違いが明確になりました。

夜景撮影

Pixelは夜景にも強いのでこちらも比較してみました。どちらも長時間露光の夜景モードでの撮影になりました。両モデルともに、特に設定を切り替えなくてもきれいに撮れます。両者とも合格と言えるはずですが、明るさはPixelが上回っています。 夜景モードは、Pixelのほうが全体的に明るく写りました。

ズーム撮影

また、Pixelでは最大の7倍望遠でも撮影しました。こちらは、明らかにiPhone 11 Pro Maxの輪郭がくっきりしています。なお、今回は天候がすぐれない中での撮影であったことをお詫びします。 Pixelの最大となる7倍の望遠は輪郭が違い、iPhoneのほうが美しく撮れています。

まとめ

Pixelシリーズは、最新のOSが使えるのも特徴です。しかも、余分なツールなどがほとんど見当たらないシンプルなモデルです。今回の2機種もAndroid 11がすでに搭載され、画面録画など新機能も活用できます。どちらも2023年秋までのAndroidアップデートが保証されています。3年間は最新の状態で使えるのが嬉しいところです。 カメラは難しいことを考えずに撮っても、かなり美しい写真が得られます。シンプルにスマホを使いこなしたい人には、おすすめのモデルと言えるでしょう。Pixelシリーズは、同等スペックのAndroidスマートフォンに比べると、若干割高に感じるかもしれません。しかし、飽きることないデザインと、OSのアップデートで末永く使えるはずです。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部