SIMフリーで、価格は直販のASUS Storeで11万9500円(税別)とかなり高価ですが、最近の上位スマホとほぼ同様の価格帯です。
カラフルに光るライトを装着した印象的なボディ
ディスプレイは6インチと大画面モデルですが、最近流行の画面を大きくとった設計はなされていません。上下には縁(フチ)が残っており、本体はかなり大きめです。iPhone XS Maxと比較しても少し大きくなります。 また、約200グラムとかなりヘビー級です。ずっと片手に持ってプレイするパズル系のゲームなどでは、ちょっと負担に感じるかもしれません。逆に、本体を横持ちして両手でプレイするゲームなら、さほど厄介ではないでしょう。
本体はかなり大きく、iPhone XS Maxと比べても少し大きい
背面のデザインも他のスマホとは一線を画す
正面はGorillaGlass 6を採用 質感は非常によく、正面はGorillaGlass 6を採用しています。背面もGorillaGlassで銅製のパーツがアクセントになっており、コストの掛かったデザインです。もちろん、普通のスマホとは一線を画しています。 背面には独自のライトが搭載されていて、色が変わったり点滅したりするように設定できます。当然、ゲームをプレイしている本人にはこのランプは見えません。あくまでも飾りなのですが、ゲーミングパソコンでも同様のライトが多く搭載されています。これを「恥ずかしい」と思うか、「クール」だと感じるかがユーザーにマッチするかどうかの分かれ目かもしれません。
背面もガラス製で銅のパーツなどがアクセントになる
背面のライトの色が変わるのがゲーミングスマホらしいところ
専用のツールでライトの色合いなどを変更可能
性能は素晴らしいが、Xモード等はベンチマークに現れず
CPUにはSnapdragon 845を搭載し、オーバークロックで最大2.96GHzで駆動します。さらに、Adreno 630グラフィックを搭載。性能アップによる発熱を防ぐために、カーボン製の冷却パッドや銅製のヒートスプレッダーなどを搭載しています。 ベンチマークのスコアも、間違いなくトップクラスです。試しにいくつかのゲームをプレイしてみましたが快適そのもので、処理待ちでイライラすることはほとんどありませんでした。独特な「Xモード」では、ゲームをプレイ前にすべてのメモリを解放できます。また、標準で付属するAeroActive Coolerを取り付けると、ファンで冷却することが可能です。 どちらもオンにした状態でベンチマークを計測してみましたが、単体でのベンチマークと結果はほとんど変わりませんでした。これらの独特なオプションや設定は、ヘビーなゲームを長時間プレイしたい時に違いとなって現れてくるのでしょう。
ベンチマークのスコアは素晴らしい
付属のAeroActive Cooler
背面にこのようなスタイルで装着する
正面から見るとこんなスタイルになる
ファンが内蔵されていて放熱する仕組みだ。また、ここにもライトが付いている
Xモードでゲームを快適にプレイできる。画面はゲーム用のユーティリティだ
ディスプレイはやや暗く、全画面スマホでないのも残念
ディスプレイには有機ELを採用。解像度は2160×1080ドットと一般的です。こちらもゲーム向けにこだわっており、リフレッシュレートが90Hzと高速で、応答速度も1msと、速い動きの映像のクオリティを担保しています。さらに色域が広く、HDRにも対応します。HDRによって暗い部分と明るい部分の差が付きすぎることなく、いわゆる白飛びや黒つぶれが少なくなります。 ゲームをしばしプレイしてみましたが、ブラーもほとんど感じませんでした。ブラーとはいわゆる被写体ブレです。キャラクターなどの動きが速いと、性能の低いディスプレイではぶれてしまうのです。 色合いも美しく、文句なしのディスプレイなのですが、iPhone XS Maxと比較するとかなり暗いのが気になりました。輝度が低いと屋外などで快適にゲームもプレイできません。普段は最高輝度で使わないとしても、いざというときには明るくしてほしいところです。 また冒頭でも書きましたが、いわゆる全画面スマホではないのも、上位モデルとしては残念です。ノッチが残っているとしても、全画面に近いスマホはゲームの没入感が違います。指紋センサーは背面に搭載しているので、上下のベゼルを残す意味はさほどないように思われます。他の上位モデル同様に、全画面化を望みたいところです。
左のiPhone XS Maxと比べると暗いのが残念
横から見ても画質は落ちないが、明るさはずいぶん違う
迫力のサウンド、急速充電はQuickCharge 4.0に対応
驚いたのがスピーカーです。製品を借りて電源を入れると、驚くほど大きな音で起動音が響きました。スマホから鳴っているとは到底思えないサウンドでした。 フロントフェイススピーカーを搭載しているのですが、これは他のスマホと間違いなく一線を画します。最近は様々なサウンド技術に対応しているスマホが増えているため、それだけを見ても音の良さはわかりません。ROG Phoneの音は間違いなく最高の迫力があります。
フロントスピーカーのサウンドは素晴らしい ゲームを楽しむとなると不安なのがバッテリーです。ROG Phoneは、4000mAhとなかなかの大容量です。しかし、3Dレーシングゲームを数十分楽しんだだけで、バッテリーは3割ほど減りました。カタログ値では、ゲームをプレイしていてもWi-Fi接続なら最大7.2時間は持つとのことですが、これはゲームタイトルにもよるでしょう。 やはり、短時間の充電ができることを望みたいところです。ROG Phoneは最新のQuickCharge 4.0に対応しており、付属のACアダプターでは最大20Wの急速充電ができます。QuickCharge 4.0はUSB-PDとも互換性があります。手元のPD対応充電器でテストしてみましたが、付属の充電器に近い値での充電ができました。 失敗しない、PD対応モバイルバッテリーの選び方とおすすめ8製品 なお充電は、本体側面のAeroActive Coolerを取り付ける部分からもできるようになっています。AeroActive CoolerにもUSB-Cケーブルが接続できます。本体の横と縦、両方から充電できることで、ゲームをプレイしながら充電してもケーブルが邪魔にならないというわけです。ただそう考えるのであれば、ヘッドフォンジャックが本体の側面にしかないのは残念です。
付属品は充電器とケーブルなど
ケーブルは質感の高い繊維でくるまれるタイプだ
カメラはワイドを搭載し、ハイレスポンス
ROG Phoneは、今となっては普通のデュアルカメラを搭載します。そもそもがゲーミングスマホなので、カメラにはあまり期待していなかったのですが、なかなかのクオリティでした。メインのカメラは1200万画素。2つ目は800万画素のワイドとなっています。この価格のスマホなので、画素数的にはやや物足りません。できれば2つ目のカメラも1200万画素にはしてほしいところです。 今回はiPhone XS Maxと比較してみましたが、普通に撮るならさほど負けていない印象で、ゲーミングスマホとしては十分です。ただ両者を仔細に比べてみると、ROG Phoneの写真はやや暗い印象を受けました。逆に、撮影していて感心したのがレスポンスの良さ。基本性能の高さが効いていると思われますが、とにかくテキパキとシャッターが切れました。
通常撮影
どちらも美しく撮れているが、iPhone XS Maxのほうが全体的に明るく、かつ空の青さも残っている
ワイド撮影
ワイドカメラを備えるROG Phoneではこんな写真も撮れる
近接撮影
花を近くから撮影。明るさがやや違うが、どちらも美しく撮れている
暗所撮影
暗い室内で撮影。iPhone XS Maxのほうがやや明るく撮れた
背景ぼかし
ポートレートモードで背景をぼかしてみた。どちらも同程度だ
まとめ
ROG Phoneはゲームをすることに目的を絞った製品です。外観からして普通のスマホとは一線を画します。特別なユーザー向けに思えますが、実はそうでもありません。スマホを持っている多くのユーザーが、何らかの形でゲームを楽しんでいるからです。ゲームが好きなら、こんなモデルを選ぶのもありでしょう。高性能なスマホとして利用するのも悪くありません。 ただし外観がかなり独特なデザインなため、その点はユーザーを選びます。価格が高いので気軽に買うことはできませんが、人と違ったスマホを持ちたい方には、魅力的な1台でしょう。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部