そんなルビーの趣味は歌を歌うこと。新学期に入り合唱部への入部を決めたルビーは、人前で歌った経験がないながらも次第にその才能を開花させていき、音楽大学への進学を勧められます。 幼いころから家族のために尽くしてきて、初めて自分自身の人生を生きたいと願い始めたルビー。しかし、耳が聞こえない家族は彼女の才能がどれほどのものなのか理解できずにいます。そんな中、学校で開催された合唱発表会に赴いたロッシ一家が目にしたのは、周囲から称賛されるルビーの姿でした。 無意識のうちに変わる手話の仕草や顔の表情など、リアリティある描写には聴覚障害当事者からも賛辞が相次いでいます。他に、ルビーがやたらと大きな音を立てる家族に苦い顔をしたり、とっさの場面で言葉ではなく手話が出たり、といった「コーダあるある」も。それらディテールへのこだわりは見どころの一つです。