Apple Watchユーザーでいて良かったと心底思えたのは、今回が初めてかもしれません。iOS 14.5とwatchOS 7.4のリリースにより、マスクをかけているときApple WatchでFace ID搭載iPhoneのロックを解除できるようになりました。 本記事では、Apple WatchでFace IDのロックを解除する機能の設定と使い方を解説します。

Apple WatchユーザーはFace IDのストレスから解放

iPhoneのフラッグシップモデルがTouch IDを捨て、Face IDを搭載するようになってから、早くも3年以上が経過しました。たしかにFace IDが便利な場面は多々ありますが、それでも花粉症でマスクをする期間が長いユーザーが強いられてきた苦労に見合うほどの利便性だったのかは疑問が残ります。

Face IDとマスクの相性は最悪だった そして2020年からのコロナ禍。世界中のiPhoneユーザーが毎日毎時毎分、マスクをずり下ろす煩わしさやパスコード入力の手間といったFace IDに起因するストレスと戦ってきました。あまりにもロック解除が面倒すぎるため、パスコード設定自体を解除してしまったユーザーも少なくないのではないでしょうか。 iOS 14.5・watchOS 7.4で追加されたApple WatchによるiPhoneのロック解除機能は、まさにiPhoneユーザーに対する福音です。Apple Watchを持っていないのであれば、コロナ禍で常時発生しつづけている"Face IDストレス"を大幅に軽減できるというだけで、Apple Watchは「買い」です。

Apple WatchでFace IDのロックを解除する手順

Apple Watchを使ってFace IDのロックを解除するための設定から、実際の使い方までをまとめました。

1iPhoneの「設定」アプリで「Apple Watchでロックを解除」をオンにする

Apple WatchでFace IDのロックを解除するには、iPhoneの「設定」アプリでApple Watchによるロック解除を有効にする必要があります。

「設定」アプリの[Face IDとパスコード]をタップし、iPhoneのパスコードを入力して開きます。 画面を下にスクロールし、「APPLE WATCHでロック解除」の項目にある「(Apple Watchの名前)」のスイッチをオンにしてください。 もし項目が見当たらないのであれば、OSがバージョンアップされていない可能性が高いです。iPhoneをiOS 14.5に、Apple WatchをwatchOS 7.4にそれぞれアップデートしてください。

「マスクを着用した顔が検出されると"(Apple Watchの名前)“でiPhoneのロックが解除されます」というメッセージが表示されたら[オン]をタップ。これで「(Apple Watchの名前)」のスイッチがオンになり、「設定」アプリ上でおこなうべき操作は完了です。 なお、Apple Watchの「手首検出」を有効にしていない場合は、この設定時に手首検出を有効にするように促されます。手首検出が有効でないとApple WatchによるFace IDのロック解除はできないので、指示に従ってApple Watchの「設定」アプリから手首検出をオンにしてください。

2iPhoneに顔を向けるとロックが解除される

あとはApple Watchを手首に付けた状態で、いつものようにiPhoneに顔を向けてFace IDのロックを解除しましょう。パスコード入力画面への切り替わりなどはなく、マスクを付けていないときと同じようにスムーズに画面ロックが解除できるはずです。

3Apple Watchの通知画面からiPhoneを再ロックできる

Apple Watchを利用してFace IDのロックを解除すると、その都度Apple Watchが振動し画面上には通知画面が表示されます。iPhoneの画面ロックを解除するつもりがなかった場合や、他人を誤認識して解除してしまった場合は、Apple Watchの通知画面からiPhoneを再度ロックすることができます。

再ロックの方法は簡単。Apple WatchでFace IDのロックを解除したときの通知画面で[iPhoneをロック]をタップするだけです。即座にiPhoneがロックされ、次にiPhoneのロックを解除する際はパスコードの入力が求められます。

Bluetooth接続をオンにする必要はある?

はい。Apple WatchでiPhoneのロックを解除するには、Apple WatchとiPhoneの両方ともでBluetoothをオンにしておく必要があります。 なお、公式サイトではApple WatchとiPhoneのWi-Fiがオンになっていることが条件に挙げられていますが、筆者が試したところWi-Fiがオフになっていてもロックを解除できました。

iPhoneが遠くにあってもロック解除できる?

筆者が試したところ、Apple Watch・iPhone間の距離が1~2m程度であればApple Watchでロック解除できました。それ以上遠くにあるiPhoneはApple Watchでロック解除できませんでした。

Face ID認証はできる?

Apple Watchでは、アプリインストールやiCloudキーチェーン、Apple Payなどで求められるFace ID認証はできません。あくまでも画面ロックの解除のみが対象です。

マスクはロック解除に必須?

マスクは必須ではありません。手などで口と鼻を覆っていれば、Apple Watchでのロック解除は作動します。

他人の顔でもロック解除できる?

口と鼻を覆っていれば他人の顔でもロック解除できるようです。意図せずロック解除されてしまった場合は手元のApple Watchで再ロックできます。

就寝中、ロック解除されないようにする方法はある?

あなたがApple Watchを装着した状態で就寝した場合、他人は口と鼻を覆った自身の顔を使ってiPhoneをロック解除できます。睡眠データを計測するためにApple Watchを付けたまま寝るユーザーにとって、セキュリティに難がある仕組みだといえます。

睡眠モード中はApple Watchでロック解除できない 筆者が見つけた回避方法は、就寝時にiPhoneを睡眠モードにしておくやり方です。iPhoneが睡眠モードになっていればロック解除は作動しません。睡眠モードはヘルスケアアプリから設定できます。