GoogleのATAP(Advanced Technology and Projects)は20日、スマートフォンなどのモバイルデバイスに人間と同じレベルの空間認識能力を与える新規プロジェクト「Tango」を発表した。 私たち人間は、視覚的な手がかりを頼りに周囲の空間を理解している。一方で、スマートフォンにはさまざまなセンサーやカメラなどが搭載されており、外部の情報を取り込むことは一定程度は可能だ。 しかし、これまでのモバイルデバイスでは、空間に対する理解力は人間と比べてはるかに限定的で、平面的なところに留まっていた。
Googleによれば、Tangoの最終目標は、モバイルデバイスに空間や運動に関して人間並の理解力を持たせることにあるという。つまり、いまデバイスの周りに何があるのか、それはどの程度の距離にあるのか、どのような運動をおこなっているのかといったことをデバイスにリアルタイムで把握させるということだ。 そこでGoogleは、奥行きを感知するDepthセンサやモーションセンサ、カメラ、高性能プロセッサを搭載したプロトタイプを開発した。秒間25万回もの3D測定を実行することで、周囲の空間をリアルタイムにマッピングする。
すでに200台のプロトタイプ開発キットが用意されており、2014年3月14日には開発者向けに配布することが予定されているとのこと。 公式サイトでは、部屋の寸法を取り込むことや、視覚障害者向けのナビゲーション、屋内ゲームへの活用などが提案されている。Tangoの可能性のすそ野は広大だ。今では想像がつかないような素晴らしいサービスやアプリケーション、ゲームが生み出されることを期待したい。