先日発売されたNexus 5には、Android 4.4 KitKatが搭載されている。本バージョンでは、ランタイムを従来の「Dalvik」から、新しい「ART」に変更することができる。ARTに変更することでアプリの実行速度などを向上させられる。 ランタイムとは、アプリケーションを動作させる共通の土台となるプログラムのこと。舗装した道路(ランタイム)を敷いておけば、その上を様々なクルマ(個々のアプリケーション)が楽に走行(動作)できるようなものだと思ってもらえばいい。

※Android 4.4は、RAMが512MBの端末でも動作するようになったことが、地味だが最大のセールスポイントで、ローエンド端末でも最新のAndroid OSを利用できるようになる恩恵は大きい。その他の特徴については、簡単にまとめてあるので参考にしてほしい。Android 4.4(KitKat)の主な新機能・特徴まとめ

Nexus 5(Android 4.4):ベンチマークテスト

Nexus 5(Android 4.4)を使用し、DalvikとARTのベンチマークテストを行った。テストに利用したアプリはQuadrant Standard Edition。両者5回ずつテストし、中央値となるスコアを紹介する。

Dalvik ベンチマークテストのスコア

まずは、デフォルトのランタイムであるDalvikでテストすると、トータルスコアは8,084となった。 CPUのスコアは、19,647だった。

ART ベンチマークテストのスコア

次に、ランタイムをARTに変更し、同様にテストする。 すると、トータルスコアは12,232を突破した。Dalvikと比べて、約50%アップの成績だ。 CPUのスコアは、38,537を記録。Dalvikと比べて約2倍のスコアとなった。

開発者向けオプションの表示と、ランタイムを変更する方法

このランタイムを変更するためには、まず「開発者向けオプション」を表示する必要がある。Android 4.2以降では、この開発者向けオプションはデフォルトでは非表示になっている。 表示する方法は簡単で、「設定」の「端末情報」の最下部にある「ビルド番号」を連続してタップするだけだ。そうすると、デベロッパーモードとなり、設定で開発者向けオプションをいじることができるようになる。そこで、ランタイムを変更可能だ。