個人的なやりとりは、メールよりもLINEを使う機会が多いでしょう。メールのように挨拶文などがいらないSNSは、ちょっとしたやりとりを頻繁に繰り返すのには便利です。 ビジネスシーンでもSNSの便利さが周知されはじめており、仕事向けのSNSが多数登場しています。仕事向けの「LINE WORKS」「チャットワーク」「Microsoft Teams」などの名前を聞いたことがある人も少なくないでしょう。百花繚乱状態のでビジネス向けSNSの中で、本命視されているのが、「Slack(スラック)」です。 ビジネス向けとしては使いやすい機能が備わっているのですが、普段利用しているLINEと違うために混乱する人が少なくありません。今回は、LINEユーザーのためのSlack入門講座をお届けします。LINEとの違いを押さえておけば、素早く利用できるはずです。

Slackはグループチャットが基本

LINEは、個人同士のやりとりが中心になります。ユーザーを選んで、「トーク」をタップすると、直接やりとりができます。LINEを起動すると、対個人のやりとりがたくさん並んでいることでしょう。複数名でのやりとりは、「グループ」で行います。 Slackは、複数名でのやりとりが活発に行われる傾向にあります。会社で仕事を進める際に参加しているメンバーでグループを作ってやりとりをします。LINEのグループと同じような仕組みなのですが、これを「チャンネル」と呼びます。当たり前ですが、自分が参加していないチャンネルは表示されません。 もちろん、個人間のやりとりも可能で、その際にはダイレクトメッセージを利用します。LINEは対個人が主役だったのに対し、Slackは、チームでのやりとりが基本になります。

Slackは、LINEとは違って複数名でのやりとり(チャンネル)が主流になる。

スレッドでやりとりを整理

LINEのグループとの最大の違いは、チャンネルの中で「スレッド」が利用できることです。LINEのグループでの会話は、ごちゃごちゃと全員で話をしていくイメージです。話題Aと話題Bがあっても、混在して話を進めていきます。ですから、しっかりと読んでいないと話題についていけなくなります。 対して、Slackでは、チャンネルの中でスレッドを作成し、特定の話題を延ばしていくことができます。より話の内容が整理されるので、仕事のやりとりに向くわけです。

「返信」と書かれているコメントはスレッドが伸びており、グループの中でも特定の話題でのやりとりがされている。 多くのスレッドが乱立する可能性もあるので、相手を指定してやりとりをすることが多くなります。LINEでは最近追加されたメンションと同じような機能で、「@山田太郎」のように表記すると相手を指定できます。より頻繁に使うので、簡単に相手を選べるようになっています。また、「@channel」と表記すると、全員宛になります。

スレッドを開いたところ。

特定の相手を指定して書き込みやすくなっている。

アカウントではなくワークスペースで管理

LINEでは、やりとりしたい相手を追加して利用していきます。Slackは、ユーザーを管理する考え方が違います。例えば、社内だけのやりとりをすることもあれば、社外のお客さんとだけやりとりをするケースもあります。 社外のお客さんとのやりとりでは、社内の連絡先は不要です。前記のように「@名前」で相手を指定することが多くなるわけですが、そもそも不参加の人が入っていると選択肢が増えすぎて大変です。LINEでグループを作成する際に、招待相手のリストが大量に表示されて面倒にお思った人は少なくないでしょう。 Slackでは、やりとりの大きなくくりを「ワークスペース」で作成できます。ここがLINEとの最大の違いで、勘違いしやすい部分です。

Slackでは、ワークスペースごとに参加者を限定したやりとりが可能。 ワークスペースの中には、前記のチャンネルを作成して話題ごとにグループで会話ができます。また、ダイレクトメッセージも送れます。ワークスペース単位で参加する人を管理できます。つまり、社内のワークスペースには、会社のスタッフしか参加しないようにできるわけです。さらに、会社の中での話題ごとに複数のチャンネルを作っていきます。 ワークスペースは顧客ごとに複数を作成してもかまいません。ワークスペースごとに参加者が異なるので、書き込みの間違いで重要な情報を書いてしまうような失敗を防げるように工夫されています。LINEでいう“誤爆”が防止できるわけです。 また、その相手とやりとりをしなくなったら、ワークスペースを削除してしまえばよいのです。LINEでは相手をブロックしたり、ちょっと面倒な作業が必要ですが、Slackでは相手の管理が簡単です。

ワークスペースごとに別のメンバーとやりとりできる。

ログインすればどこからでも使える

Slackは、LINEのように電話番号とひも付いていません。例えば、パソコン数台とスマホ数台でも同じアカウントで利用可能です。とても分かりやすいのです。 自分で作成したアカウントでログインすると、すべてのワークスペースを利用できます。Slackのアカウントはメールアドレスとひも付いています。新しいデバイスにインストールしたり、スマホを買い換えた場合には「マジックリンクメール」を自分宛に送れば、すべてのワークスペースにログインできます。

新しいデバイスでは、マジックリンクメールでログイン可能。 端末を買い換えると、データの引き継ぎでひやひやするLINEよりも安心して使えるでしょう。

Slackで利用しているメールアドレスを入力するだけなので、とても簡単です。

まとめ

まだSlackを使っていない人は、ぜひ利用してみてください。仕事での連絡なら、LINEよりも便利に感じるはずです。 まだやりとりする相手がいないとしても、近い将来に周囲も使い始めるはずです。その時になって慌てて機能を覚えるよりも、今から備えておくべきです。とりあえず使えるようにしておけば、顧客とのやりとりが有利に進む可能性もあります。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部

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