「Visa LINE Pay(ビザラインペイ)クレジットカード」は、文字通りLINE Payの特典がついたVisaブランドのクレジットカード。 初年度3%という高還元でLINEポイントが付与されるうえ、還元上限なしというハイスペックなカードです。加えて、LINE Pay(ラインペイ)と連携してスマホ決済に利用できたり、Visaのタッチ決済やiD決済に対応していたりと、使い勝手の良さにも注目が集まっています。 本記事では、Visa LINE Payクレジットカードの特徴やメリット・デメリット、申し込み方法や注意点などを実体験を元に紹介します。どんなサービスなのか知りたい人や、申し込みに迷っている人はぜひ参考にしてください。

Visa LINE Payクレジットカードとは? メリット・デメリット

Visa LINE Payクレジットカードは、「ポイントの還元率が高い」「年会費無料で作れる」など、ユーザー側にメリットが多いことで人気ですが、意外と知られていない些細なデメリットも存在します。そこで、申し込み前に知っておきたいメリット・デメリットを紹介します。

メリット1:高いポイント還元率と充実した特典

最も注目すべきメリットは、なんといっても還元率の高さでしょう。

Visa加盟店でのカードショッピングやiD支払いでは、2021年4月30日まで還元上限なしの3%還元キャンペーンが実施されます。 一般的なクレジットカードの還元率は0.3〜0.5%が相場で、1%となると高還元率と呼ばれる中、最大2%の還元率を誇るカードはかなり貴重な存在だといえます。

さらに特筆すべきが、LINEポイントを多く獲得すればするほど、より多くの特典を得られる「LINEポイントクラブ」のシステムです。 LINEポイントクラブでは、過去6カ月に獲得したLINEポイントの実績に応じて「レギュラー」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」にユーザーがランク分けされます。 このランクが上がるほど、Visa LINE Payクレジットカードを紐付けたLINE Pay支払い(=チャージ&ペイ)時の還元率が高くなるほか、クーポンのもらえる枚数が多くなります。 つまり、Visa LINE Payクレジットカードをアクティブに使ってポイントを継続的に獲得していくことで、特典面をより充実させさせることができるというわけです。

「ウォレット」タブから[LINEポイントクラブ]へと進むと、自分のランクとそれに伴うクーポンなどの特典を確認できます。

メリット2:年1回以上の利用で年会費無料

Visa LINE Payクレジットカードは通常、年会費1250円(税別)がかかりますが、初年度は年会費無料で利用できます。 また、2年目以降も年1回以上(カード発行月より翌カード発行月末まで)を利用すれば、年会費は無料です。LINE Payへの登録費や決済時の手数料も一切かかりません。 還元率の高いクレジットカードだと年会費が発生するものも多いので、実質無料で利用できるのは高評価ポイントです。

メリット3:1枚で幅広いキャッシュレス決済が利用できる

Visa LINE Payクレジットカードは、その使い勝手の良さも魅力のひとつ。世界中にあるVisa加盟店でのカードショッピングはもちろん、非接触型決済の「Visaタッチ決済」や全国96万カ所以上で使える「iD」にも対応しています。 さらに、スマホ決済の「LINE Pay」に紐づけることで、チャージ不要でQRコード・スキャン支払いや請求書支払いなどがおこなえるのも特徴です(チャージ&ペイ)。Visa LINE Payクレジットカード1枚あれば、日常生活のあらゆる決済シーンをカバーできるでしょう。

デメリット1:審査が必要で満18歳以下は申し込めない

これまで提供されてきたプリペイド式の「LINE Payカード」と異なり、Visa LINE Payクレジットカードは後払い式の“クレジットカード”です。 発行時には審査が実施されるうえ、満18歳以上と申し込める人は制限されます。また満18歳以上の人であっても、未成年であれば親権者の同意が必要です。

申し込み時に入力する年収、勤務先、職種、家族構成、借り入れ状況といった情報を元に、クレジットカード発行会社側でカード発行の可否が審査されます。審査で落ちてしまった場合は、残念ながらVisa LINE Payクレジットカードの発行はできません。 審査は、Visa LINE Payクレジットカードに限って特別厳しくおこなわれるわけではありませんが、「すぐに発行できて誰でも手軽に持てる」というものではないことには留意しておきましょう。

【更新】デメリット2:利用通知を別々に確認しなければならない

Visa LINE Payクレジットカードを紐付けたLINE Pay決済(チャージ&ペイ)をすると、支払いのたびに「LINEウォレット」から通知メッセージが届きます。 このように、LINEアプリ内で手軽に利用明細を確認できたり、月々の収支額をチェックできたりといった認識のしやすさも魅力のひとつです。

三井住友カード会員向けサービス「Vpass」 ただし少々不便に感じるのが、LINE Payに紐づけての「チャージ&ペイ」以外で支払った場合、LINEアプリでの利用通知がされないこと。 Visa加盟店でのカードショッピングと、Google Pay/Apple Payに紐づけてのiD支払いは、三井住友カード会員向けサービスVpassから確認できるものの、通知設定はできない仕組みになっています。 【2020年8月28日追記】 2020年9月10日より、Visa加盟店でのカードショッピング利用時の即時通知サービスが提供開始されます。また、通知対象外の決済は、以下の通り案内されています。

デメリット3:特典の「LINEポイント」の使い道が限定的

先に述べたように、Visa LINE Payクレジットカードで決済すると、利用金額に応じて最大3%の「LINEポイント」が貯まります。 — LINE Pay公式アカウント (@linepay_jp) August 28, 2020 ここで注意したいのが、貯まったLINEポイントの利用方法です。LINEポイントはあくまでLINE社の提供する独自のポイントサービスなので、使い道が限定されています。

左:LINE Payのコード決済でポイントを使う右:LINE Payのオンライン決済でポイントを使う まず、LINEポイントを使って実店舗で商品を購入するには、スマホ決済の「LINE Pay」経由でなければなりません。つまり、Visa加盟店でのカードショッピングとVisaタッチ決済、Google Pay/Apple Payに紐づけてのiD支払いでは、LINEポイントを消費できないのです。 LINEポイントによる決済分は、ポイント付与の対象外という点にも注意が必要です。たとえば、598円のLINE Pay支払いで215ポイントを利用した場合、割引後の価格である383円だけがポイント還元の対象になります。 LINEポイントをLINE Pay支払いで使う方法と注意点 さらに、LINEポイントは他ポイントサービスへの交換がほとんどできません。自由に交換ができるマイルやPontaポイント、Tポイントなどのポイントサービスと比べると、使い勝手はあまりよくないといえるでしょう。 とはいえ、せっかく貯まったポイントを使わなくては損です。下記記事では、さまざまなLINEポイントの使い道を紹介しているので参考にしてください。

Visa LINE Payクレジットカードを使うための3ステップ

ここからは、Visa LINE Payクレジットカードを申し込んでから、実際に利用できるようになるまでの流れを解説します。

ステップ1:申し込みに必要なものを用意

Visa LINE Payクレジットカードの申し込みに必要なのは以下の2つ。運転免許証または運転経歴証明書を持っていれば、本人確認に使えるので用意しましょう。 クレジットカードを作る際は、必ず料金の引き落としに使う銀行口座が必要です。もし持っていない場合は、口座を開設しておかなければなりません。 なお、Visa LINE Payクレジットカードは三井住友カード株式会社が発行していますが、引き落とし口座は「三井住友銀行の口座」である必要はありません。みずほや三菱UFJ、ゆうちょをはじめ、他銀行口座を引き落とし口座に指定することもできるため、すでにメインバンクを持っているならそちらを活用しましょう。

ステップ2:公式サイトから申し込みをする

続いて、スマホから申し込みサイトにアクセスして、オンライン申し込みをおこないます。

LINEアプリの「ウォレット」タブからLINE Payの画面に進み、[カードの申し込み・登録]ボタンをタップしてください。入力画面が表示されるので、案内に従って入力していきます。 入力項目はかなり多いですが、正しい情報と正確な入力ができるよう、細心の注意を払っておこないましょう。申し込み時の情報に不備があると、発行が遅れてしまいます。 また、収入面など虚偽の申告があった場合は、審査に落ちてしまったり、最悪強制解約されたりしてしまう恐れがあるので注意してください。

ステップ3:Visa LINE PayクレジットカードをLINE Payアカウントに紐付ける

申し込み完了から数日後、指定したメールアドレスに審査結果を知らせるメールが届きます。 メールフィルター設定をしている場合は、メールが届かなくなってしまうので、下記ドメインからのメール受信の許可設定をしておいてください。

vpass.ne.jp smbc-card.com

審査が無事に通れば、Visa LINE Payクレジットカードが指定した受け取り住所へと発送されます。簡易書留となっているため、受取時にはサインまたは印鑑が必要です。 Visa LINE Payクレジットカードを無事受け取れたら、最初にVisa LINE Payクレジットカードの情報をLINE Payアカウントに登録します。この手続きをしないと、決済をしてもLINEポイントの還元を受けられません。忘れずにおこないましょう。

Visa LINE PayクレジットカードをLINE Payアカウントに登録するには、上のQRコードをスマホで読み取ってください。クレジットカードと一緒に届く案内用紙にも同じものが記載されています。

あとは、Visa LINE Payクレジットカードの情報を手入力し、[登録]ボタンをタップすれば登録完了です。登録が終わったら、LINE Payメイン画面の「お支払い方法」の項目が[チャージ&ペイ]になっていることを確認しましょう。

Visa LINE Payクレジットカードで利用できる支払い方法

Visa LINE Payクレジットカードは、Visa加盟店でのカードショッピングや付帯機能のVisaタッチ決済に加え、スマホと連携することでさまざまな決済方法が利用できます。 Visa LINE Payクレジットカードは、月末締め翌月26日払いです。毎月26日を迎える前には、登録した銀行口座に支払い額分の残高があるかをチェックしましょう。

Visa加盟店でのカードショッピング

Visa LINE Payクレジットカードは、全世界200以上の国と地域にあるVisa加盟店で利用できます(一部の店舗で利用できない場合もあります)。 実店舗の場合、支払い時に「クレジットカードで」と伝えて、Visa LINE Payクレジットカードを提示し暗証番号やサインで認証すれば支払い完了。支払い方法は、1回払いのほか、2回払い・ボーナス一括払い・リボ払い・分割払いにも対応しています。

もちろん、Visaカードに対応するオンラインストアでも、Visa LINE Payクレジットカードを利用可能です。 支払い手段でクレジットカードを選択したら、カード裏面16桁のカード番号と有効期限を入力しましょう。3桁のセキュリティコードが必要になる場合もあります。

Google Pay/Apple Payに紐づけてのiD支払い

FeliCaを搭載したスマホを持っているなら、Visa LINE PayクレジットカードをGoogle Pay/Apple Payに紐づけることで、電子マネーの「iD」を利用できます。

iDは、スマホを店舗の読み取り機にかざすだけでクレジットカード決済ができるサービス。全国50万店以上と、数ある電子マネーの中でも利用可能な店舗数が多く、使いやすい電子マネーとして有名です。

iDによる支払いは、スマホを読み取り機にかざすだけで一瞬で完了します。暗証番号を入力したり、サインが必要になったりといった手間が不要なので、クレジットカード単体よりスピーディーに支払いができるといえるでしょう。 電子マネーといっても、利用した分だけクレジットカードの代金と一緒に請求されるので、事前にチャージする必要もありません。もちろん、iD支払いでも支払い金額に応じて3%のLINEポイントが還元されます。

iDを利用するには、iPhoneは「Apple Pay」、Androidスマホは「Google Pay」にVisa LINE Payクレジットカードを登録する必要があります。詳しい登録手順は、それぞれ以下の記事を確認してください。

Visaタッチ決済

Visa LINE Payクレジットカードには「Visaタッチ決済」が付帯機能として備わっており、上の対応マークが掲示されている一部のVisa加盟店で利用できます。 Visaタッチ決済は、iDと同じ「非接触型決済」のひとつ。読み取り機にVisa LINE Payクレジットカードをかざすだけでスピーディーに支払いが完了します。Visa LINE Payクレジットカード自体にICチップが搭載されているので、スマホと連携させる必要はありません。 ただ、Visaタッチ決済の加盟店は、国内ではまだそこまで多くないのが現状。一方、オーストラリア、台湾、シンガポール、イギリスなど海外では広く普及しているので、海外旅行の際に活躍しそうです。

チャージ&ペイ(QRコード支払い・請求書支払い・オンライン支払い)

Visa LINE PayクレジットカードをLINE Payアカウントに登録することで、残高チャージ不要でスマホ決済の「LINE Pay」が利用できます。これが「チャージ&ペイ」と呼ばれる新たな支払い方法です。チャージ&ペイでは、以下の3つのLINE Pay決済が利用できます。

チャージ&ペイでは、コード払いや請求書支払い・オンライン支払いなどで使った金額が、そのまま登録したVisa LINE Payクレジットカードの利用分として原則翌月26日に引き落とされます。 いちいちチャージする手間が省けるほか、決済前に残高を気にする必要もありません。チャージ&ペイで支払うことにより「マイランク」に応じた1〜3%のLINEポイントが還元されるのも大きなメリットです。 LINE Payでの支払い方法については、以下の記事に詳しくまとめています。